ショート動画の縦型編集:16:9の配信画面を9:16に移すときの計算
1920 x 1080の配信画面を1080 x 1920の縦型フレームに入れると、どの方法を選んでも残るのは31.6%だけです。顔の位置に合わせたクロップ範囲の座標、1920pxの縦幅をフック字幕・ゲーム・カメラ・会話字幕に割り当てる画面予算、UIを避けるセーフエリア、書き出し解像度と長さの基準を数値で整理しました。
ClipSpray Team
要点
- 1920を入れる場合、どの方法を選んでも捨てる割合は同じですが、捨てるものが異なります。
- クロップ範囲のサイズは608 x 1080で固定され、決めるべき横方向の開始点は1つだけです。中央揃えならx0は656、顔を追うなら注目点から304を引きます。
- 縦1920pxは比率ではなく、画面予算で分けます。フック字幕320、ゲーム608、カメラ608、会話字幕384に分けると、ちょうど1920pxになります。
- 画面全体が見えるわけではありません。UIが上・下・右側を覆うため、実際のセーフエリアは約918 x 1306で、フレーム幅の約58%です。
- ショート動画としてアップロードできる最大解像度は1080pです。4Kで書き出してもメリットはなく、推奨される縦型フレームの上限は1080 x 1920です。
縦型編集が難しい理由は、センスが足りないからではありません。**横長の映像を縦型フレームに入れた瞬間、何を捨てるかを選ぶ算数の問題になるからです。**この記事では、1920 x 1080の配信画面を1080 x 1920のショート動画フレームに移したとき、実際に何px残り、どこに配分すべきかを計算します。
16:9の配信画面を9:16に移すと、何が残るのでしょうか?
どの方法を選んでも、残るのは31.6%だけです。クロップでは映像の31.6%が残り、レターボックスでは画面の31.6%だけが埋まります。

16:9の元映像を9:16フレームに入れる(1920 x 1080 → 1080 x 1920)
方法1:画面いっぱいにする(クロップ)
縦方向の倍率 s = 1920 / 1080 = 1.778
画面に残る元映像の幅 = 1080 / 1.778 = 607.5px
元映像の残存率 = 607.5 / 1920 = 31.6%
切り捨てられる幅 = 1312.5px(左右656pxずつ)
方法2:全体を入れる(レターボックス)
横方向の倍率 s = 1080 / 1920 = 0.5625
映像が占める高さ = 1080 x 0.5625 = 607.5px
画面占有率 = 607.5 / 1920 = 31.6%
残る余白 = 1312.5px(上下656pxずつ)
2つの値が同じなのは偶然ではありません。16:9と9:16は逆の比率なので、一方をもう一方に入れると(9/16)の2乗、つまり0.316になります。つまり、どれだけ失うかではなく、何を失うかが選択なのです。
クロップ範囲はどこに置けばよいのでしょうか?
サイズはすでに決まっています。608 x 1080で、決めるべき横方向の開始点は1つだけです。

クロップ範囲のサイズ = 608 x 1080(元の座標系を基準に固定)
中央揃えの場合
x0 = (1920 - 608) / 2 = 656
注目点cxを中央に置く
x0 = cx - 304
ただし、0〜1312の範囲に収まるように切り詰めます。
例)カメラが右下のx = 1700付近にある場合
x0 = 1700 - 304 = 1396 → 上限の1312に設定
結果:元映像の右端に接した608pxの範囲
配信画面で重要なものは、通常中央にはありません。**カメラはたいてい右下にあり、ゲーム情報は左右の端にあります。**中央揃えをデフォルトにすると、本当に見たいものがすべて切り取られてしまいます。
そのため実際の作業では、クリップごとにx0を取り直す必要があります。1本のクリップ内でも、カメラのリアクションが重要な区間とゲーム画面が重要な区間があるなら、その時点でx0を移動したほうがよいでしょう。ゲーム配信で該当する区間については、ゲーム配信の編集方法]で解説しています。
1920pxの高さはどのように分ければよいのでしょうか?
比率を選ぶ問題ではなく、ピクセルを配分する問題として考えれば、答えはすぐに出ます。

ポイントは1つです。**16:9の画面を幅1080pxに合わせると、高さは自動的に608pxに決まります。**この数字が決まれば、残りは引き算です。
16:9画面を横1080pxに合わせる場合
高さ = 1080 x 9 / 16 = 607.5 ≈ 608px
縦方向の配分(合計1920px)
上部フック字幕 320px
ゲーム画面 16:9 608px
カメラ画面 16:9 608px
下部セリフ字幕 384px
----------------------
合計 1920px
この配分が絶対的な基準というわけではありません。カメラなしでゲームだけを使うクリップならゲーム画面を大きくし、カメラが中心の配信ならカメラを大きくします。ただし、どの組み合わせでも合計が1920になるよう計算しておけば、後から字幕が画面外に押し出される事故を防げます。
字幕はどこに配置すればよいですか?
縦画面は全体が表示されるわけではありません。UIに隠されていない内側だけが、実際に読める領域です。

YouTubeは安全領域のピクセル数値を公式文書で公開していません。ただし、画面に何が重なるかはスマートフォンで開けばすぐに確認できます。上部には検索と通知、下部にはチャンネル名と説明とサウンド情報、右側にはリアクションボタンが縦に並びます。
以下は、そうした観察をもとにこの記事で使用する余白の値です。公式数値ではなく、作業用の基準線としてご覧ください。
| 方向 | 空けておく幅 | 1080 x 1920基準 | 重なるもの |
|---|---|---|---|
| 上部 | 約12% | 230px | 検索、通知アイコン |
| 下部 | 約20% | 384px | チャンネル名、説明、サウンド、タブ |
| 右側 | 約15% | 162px | 高評価、コメント、共有、リミックス |
| 残りの安全領域 | 918 x 1306 | フレーム幅の約58% |
この表から導ける実務上のルールは3つです。セリフ字幕は画面の一番下ではなく、下から3分の1ほど上がった位置に、フック字幕は上部アイコンを避けて上から12%下に、顔は右側のリアクションボタン列と重ならない位置に配置します。 字幕自体の区切り方や整え方は、ショート動画の字幕を自動生成に別途まとめています。
書き出し解像度はどれくらいにすればよいですか?
1080 x 1920で十分です。それ以上にしてもメリットはありません。
YouTubeのショート動画の始め方に関する文書には、**「ショート動画でアップロードできる最大解像度は1080p」**と明記されています。元映像を1440pや4Kで録画していても、ショート動画としてアップロードするファイルの上限は1080pです。
ここでよくある間違いが1つあります。元の画質が良いから、クロップしても問題ないと考えてしまうことです。 計算してみると違いが分かります。
元映像が1920 x 1080の場合
クロップ範囲608 x 1080を1080 x 1920に拡大
→ 拡大率1.778倍、ピクセルを生成して補う範囲
元映像が2560 x 1440の場合
クロップ範囲810 x 1440を1080 x 1920に拡大
→ 拡大率1.333倍、余裕あり
元映像が3840 x 2160の場合
クロップ範囲1215 x 2160を1080 x 1920に縮小
→ 縮小、画質の劣化なし
縦編集を前提に配信するなら、録画解像度を1440p以上に上げておくのが最も安価な画質改善策です。 アップロード時は1080pに下がりますが、クロップして拡大する範囲の元情報量が変わります。OBSで録画設定を行う方法は、OBS設定方法にまとめています。
縦動画を長尺動画としても使うつもりなら、もう1つ確認すべきことがあります。YouTubeはパソコンのブラウザで9:16の縦動画を再生する際、**「最適な視聴環境のために余白が追加される場合があります」**と案内しています。長尺動画では、元の16:9形式をそのまま使う方がよいでしょう。
何秒くらいに切り抜くのがよいですか?
公式の基準線は3つあり、その中でも60秒が最も重要です。
| 基準線 | 根拠 | 実務上の意味 |
|---|---|---|
| 180秒 | 正方形または縦長の比率で3分以内ならショート動画に分類 | 上限であり目標ではない |
| 90秒 | オーディオライブラリのほとんどの楽曲の使用上限 | 音楽を使う予定ならここまで |
| 60秒 | 1分を超え、著作権侵害の申し立てが有効な場合は全世界でブロック | 音源を含むクリップの実質的な上限 |
| 30秒 | 一部のトラックの使用制限 | 楽曲によってはさらに短い場合がある |
まとめると、こうなります。音源を含む範囲は60秒以内に収め、60秒を超えるクリップでは配信元の音声だけを残します。 長さとBGMは別々に決めるものではなく、一緒に決めるものです。その理由は、AIで編集した配信クリップが収益化審査で引っかかる境界線で詳しく解説しています。
実際の作業手順はどうなりますか?
計算を先に行い、編集を後に行う順番です。逆にすると、作り終わってから字幕が切れていることに気づき、最初からやり直すことになります。
1️⃣ 範囲と長さを確定: 使う範囲を決め、音源を含めるかどうかに応じて、まず60秒以内かどうかを決めます。この決定によって、その後のすべての配置が変わります。
2️⃣ 配置を選ぶ: ゲームだけを使うか、ゲームとカメラを上下に分けるか、カメラだけを大きく使うか、3つのうち1つを選びます。クリップの途中で配置を変えない方が安定します。
3️⃣ 縦方向の配分を計算: 選んだ配置に合わせて1920pxを分割します。16:9領域は横1080pxを基準に608pxで固定され、残りのピクセルが字幕のスペースになります。
4️⃣ クロップウィンドウの座標を決める: 各領域に入れる元映像の範囲のx0を決めます。中央の656が初期値で、カメラや重要な情報がある側へ移動します。
5️⃣ 安全領域内に字幕を配置: 918 x 1306の内側に字幕と顔が収まっているか確認します。スマートフォンの画面サイズまで縮小してみれば、読めるかどうかすぐに分かります。
6️⃣ 1080 x 1920で書き出す: 上限が1080pなので、それ以上は不要です。書き出した後、スマートフォンで一度再生し、下部UIに字幕が重なっていないか確認します。
長いアーカイブでこの作業をクリップごとに繰り返すことが、実際のボトルネックです。ClipSprayはCHZZKとSOOPのアーカイブ全体を受け取り、候補範囲を選び、字幕とタイトルを付けた9:16の縦編集版と16:9の横クリップをまとめて書き出します。
よくある質問
配信画面をそのまま9:16に切り抜くと、なぜ見づらくなるのでしょうか?
1920pxある元映像の幅のうち、残るのは608pxだけだからです。割合は31.6%で、残りの1312pxは画面外になります。ゲーム画面は左右に情報が広がっていることが多いため、中央だけを残すと状況が分かりにくくなります。
全部をレターボックスに入れるだけではだめですか?
可能です。ただし、縦1920pxのうち動画の高さは608pxなので、画面の31.6%しか埋まりません。上下の1312pxが空くためスマートフォンでは動画が小さく見え、その空間を字幕やカメラで埋めなければ多くを無駄にします。
ショート動画は何pxで書き出せばよいですか?
1080 x 1920で十分です。YouTubeではショート動画としてアップロードできる最大解像度を1080pと案内しています。それより大きく書き出してもアップロード時に縮小され、ファイルが重くなるだけです。
字幕を画面下部に置くことはできませんか?
隠れてしまうリスクが高いです。縦型画面の下部にはチャンネル名・説明・音声情報が表示され、右側にはリアクションボタンが縦に並びます。会話字幕は画面下部ではなく、下から3分の1ほど上に置くと安全です。
カメラとゲームを上下に分けると、ゲームが小さくなりすぎませんか?
幅1080pxの16:9ゲーム画面の高さは608pxです。縦型フレームの約3分の1なので小さく見えますが、元映像の31.6%だけを残すクロップより、状況を伝えるうえで有利なことが多いです。ゲーム画面をさらにクロップして、必要な範囲だけを拡大することもできます。
縦型に編集したクリップをYouTubeの長尺動画に使えますか?
おすすめしません。YouTubeの標準アスペクト比は16:9で、パソコンのブラウザで9:16の縦動画を再生する場合は、見やすくするために余白を追加できます。長尺動画には元の16:9形式を使うほうが適しています。
出典
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